DANCE AND MEDIA 2004/TOKYO
ジョセフ・ハイド 
レクチャー&ライブ・パフォーマンス

舞台裏レポート
2004/08/01

2004/8/1(sun) 18:30 start
会場:スパイラルホール

ジョセフ・ハイド
レクチャー&ライブパフォーマンス
"subliminal TV"
"amplified"



DANCE AND MEDIA 2004 / TOKYO
ジョセフ・ハイド レクチャー&ライブ・パフォーマンス
『Subliminal TV』+『amplified』

当日舞台裏レポート

8月1日朝10:00より、スパイラルホールでJoseph Hyde’s Lecture & Live Performanceのセッティングと最終リハーサルが行われた。前日の森下スタジオでのリハーサル最終日にMaxのパッチが上手く作動しなくなるなどのトラブルが発生していた。7月26日に来日してからストレスフルな6日間を過ごしてきたジョセフ・ハイド氏と日本人アーティスト達だが、いよいよ公演当日を迎えた。このようなテクノロジーを使った公演ではトラブルが日常茶飯事であるが、やはり今回も例外ではないようだった。特に、映し出される映像が鮮明に出ずダンサーの影に反応して画像が追いかけるという見せ場が使えなくなってしまうのではないかと思うほどであった。しかし、本番直前にコントラストを修正することでそれが解決され、ジョセフもほっと安心し「we made a big break through(やぁっと、解決した!)」と笑顔がやっとこぼれた。不思議と、毎回避けられないトラブルは、やはり毎回何とか解決されていく。


プログラム中のジョセフ・ハイド氏

楽屋でサウンドを調整中の松尾邦彦氏

オペレーションブースに並ぶPowerBook

照明オペレート用のMAXをセッティングする河内一泰氏(左)

ジョセフ・ハイド氏は今回、映像、音に加えてレクチャーのためにも3つのラップトップを使用。以前は、音も映像も1台のPCで行っていたため映像の動きが遅くなり、ダンサーの動きに上手く反応しているように見えなかったが、PCを分けてデータを共有させることで、スムースなパフォーマンスが可能になる。



出演者インタビュー

メディア・アーティスト
松尾邦彦


Amplifiedについて
。「意外とさりげなく普通にやってるようで、みどころはふっと思うと、あれ、これどうやってるの?みたいな。でもね、パッと見にはわからないように作ってるんですよ。基本的なコネクションが多いんです。これがテクノロジーだ!みたいなところは表にでてないからから。うわ、すごい!っていうところはところどころあるんですけれども、裏ではスゴイ細かいことしてますよ。」


サラウンド・エンジニア/ミュージシャン
阿尾茂毅氏


動く照明インスタレーションに連動させて、サラウンドをマニュアルで操作。今回スパイラルは初めてということで、「お客さんが入ってみないとわからない。もう、あとはお客さんがどれだけ気持ちいいか。あと、ギガさんがどれだけ気持ちいいか。 パフォーマーが一番気持ちいい状態が作れるとパフォーマーもいいものが作れるのではないかと思っています。」とのこと。

ミュージシャン
Salmon氏


今回の聞きどころは、「ジョーと僕のサウンドセッションの部分と、ジョーの映像とそのジョーのクリック音の動機みたいなところ」。

建築家・照明インスタレーション
河内一泰 

「空間をスキャンする」動く照明インスタレーション『Scaned Air』を設置。「ポジの思考じゃなくて、ネガの思考。空間ありきで自分を主張しない、といったコンセプトが、蹄ギガのパフォーマンスと共通している」とコメント。この空間に存在するもの全ての存在感を視覚的に出現させるこのインスタレーションが、ハイド氏の使うテクノロジーと同様、このパフォーマンス全体のネットワーク性を象徴する。

プロデューサー・チーフマネージャー
飯名尚人

Amplifiedのような作品には「インプロヴィゼーションのセンスが絶対に必要。時間をかけて作り込んで、というよりは、今すでに持っているノウハウを持ち寄って、それぞれごく一部分だけども高度なノウハウを使って共同作業する。短期間でも、すごく完成度の高いものが出来る。そういう蓄積がこのコンピューターのハードディスクの中にはあるから、メディア・パフォーマンスが成り立つ。」

 
 
インタビュー・翻訳・記事/小西智恵