Grinder man workshop
2005/2




http://grinder-man.com/





ワークショップの様子が動画でご
覧になれます。





グラインダーマン 
『バイナリーライダー・ワークショップ』
パフォーマンスってなんですか?

[日程]
第1回 2005年2月12-13日
第2回 2005年3月26-27日(参加者募集中)
第3回 2005年6月上旬(参加者募集中)

[会場]BankART Studio NYK

イスラエルでのレジデンス制作、ヨーロッパ数か所でのツアー、そして横浜公演を控えて準備中のグラインダーマン。今回は、初のワークショップを開催(2/12-13)。

ダンスでも演劇でもない、現代美術から出てきたグラインダーマンの「パフォーマンス」ワークショップでした。
今年上演する『バイナリー・ライダー』の作品コンセプトも踏まえた内容。











ゴーヘッド、各種。

ゴーヘッドを装着して、ポーズ。




〜「ポーズ」で決める!〜

「パフォーマンスとは何か?」というのが、このワークショップの最大のテーマに見えました。
ダンスでもなければ、演劇でもない、なにしろビジュアルとして人がステージで動く事の面白さと、その方法論が詰まった内容。

1日目の内容は、

 カラダと言葉
 カラダと音
 ゲーム
 アクション・センテンス(文章)


「カラダと音」では、グラインダーマンのオリジナルサウンドに乗せて、歩く、止まる、ポーズ、そしてまた動く、という「フレーズ」の訓練。
8ビートのリズムボックスが気持ちいい。さらに、箱(=ゴー・ヘッド)を頭に被って行うため、自分のなかでキャラクターが自然と出来上がってきます。

パンダの着ぐるみなどを着ると、なんとなくそのキャラクターになって、自分らしからぬ「かわいいポーズ」をとってしまう、ということがありますが、自分の内在的なキャラがリズムに合わせて引き出されていきます。
箱を被っていて顔は見えない、しかもパントマイムのように状況を説明するような動きはない。
なのに、それぞれの「キャラクター」が見えてくる、というのが面白い。
「おかまキャラ」「なんとなくエロいキャラ」「男気キャラ」などなど。

リズミカルな8ビート・テクノ(なんとなくマヌケなサウンドがゲームの中にいるような感覚になる)、合い間に8小節の効果音。効果音の部分では、歩きをやめて、ポーズを決める。

〜そこで「1ショット」入れていこう〜

グラインダーマンは、ポーズを決めることを「あー、今1ショット入ったねー」といいます。
ダンスのような振りやフレーズではなく「1ショット」という短い身体表現。
例えば、歌舞伎の「見得を切る」というようなものを似ているかもしれません。

「ポーズを決めるときに、ただ止まるだけじゃなくて、足をドンと踏み込むとか、頭の箱を両手はバンと叩くとか、アクセントを入れて強調すると効果的」などの決めポーズの作り方などもレクチャー。

ダンスでは、止まる、ということを避けて動き続けてしまいます。動きの連結を研究していく印象がありますが、決めポーズを徹底的に追及する、ということで独特な面白い動きが見えてきます。


〜8ビートがおもしろい〜

8ビートに乗せて、ポーズではなく、動き、をさせます。繰り返しのテンポを徐々に早めていきます。
「テンポが速くなると、動き、ではなく、ポーズの連続になっていくはずです」というレクチャー。
たしかに、余分な動きを省いていって、カラダが、最後の決めポーズに向かっていきます。
余分な動きが無くなっていく、のが8ビートのテンポアップで発見できる、というのも面白い。


〜自然発生の「ルール」〜

と、言ったように「ポーズ」というのが面白い内容ですが、徐々に「ルール」という要素が入ってきます。

「ゲーム」では、4人一組で、2人が箱を被ります。
8ビートに合わせて、動き回って、音が変わると、近くの人に箱を被らせる、というゲーム。
ルールは特にないのですが、ただ箱を被らせるゲームではなく、それぞれが、「無理矢理被らせる」「被らせてー!という感じの動きで自分から被る」「なんか知らないけど上から箱が落ちてきた」といったような、シチュエーションを会話をせずに、なんとなくの「暗黙の了解」で進行。開始すると、自然にルールが出来てきます。

「コミュニケーション」というのが、こういう形で通じあう、という「ノンバーバル・コミュニケーション」のひとつの実験。
インプロビゼーションは、よく「何でもあり」になってしまうことが多いですが、自分でルールを作っていく、という作業、さらに、メンバーとルールを作っていく、という作業。これが短時間で成立。

そもそも「グラインダー」とは「己を削る!」という意味もあるとか。自律精神です。


完全にポーズを真似る。



〜映像で確認〜

撮影クルーが全てを記録していて、ワークショップの様子はすぐにビデオで確認。
箱を被っているので、自分の動きを確認しにくいことや、相手が何をやっているのか、ということを映像で見せます。
映像をみながら「今のは、もっとこうすると、おもしろくなる」などの具体的なアドバイスをしていきます。



〜文章をカラダで再現する〜

短いセンテンス(文章)が参加者に渡されます。

「ようやくたどりついた世界の果て。こいつはなんて広いんだ。」

音楽に合わせてパフォーマンスを作りなさい、というのが課題。

パントマイムではなく、説明でもなく、この文章をグラインダーマン的に表現します。
箱を被っている、言葉を使わないなどの基本的なルールや、これまでのレクチャーでやってきた特徴を生かして創作します。

この展開で、次回の第2回、第3回へと発展していくようです。
作品制作のワークショップとしては、丁寧な段取り。
パフォーマンスとはなにか?グラインダーマンとはなにか? が分かってくる内容でした。


参加者の女優さんもグラインダー。




〜今後の活動〜

▼このワークショップの第2弾が開催されます。
3月26日(土)、27日(日) 12:30〜18:00
参加者募集中。

[申し込み、問い合わせ]
 グラインダーマンワークショップセンター
 → br2005@grinder-man.com


▼4月〜イスラエルにて滞在制作開始
▼『バイナリー・ライダー』ヨーロッパ・ツアー
▼『バイナリー・ライダー』凱旋公演(横浜)

詳しくは、http://grinder-man.com/
 
2005/02/13