the GROUND-breaking
2006 提携企画 [ALIVE ART MATURI]
“サウンド・スカルプチャーによるエキジビション”
『Ujino and the Rotators』 宇治野宗輝
photo / Masanori Ikeda
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[ALIVE
ART MATSURI vol.1]とは?
「ALIVE ART MATURI」は、文字どおり、生きている、生き生きとしたアートの祭典です。従来のスタティックなエキジビションやライブパフォーマンスの枠におさまらない、たった1人のアーティストによる新しいパフォーマンス・アクト作品を提供します。
● the Rotators?
2004年夏にストックホルムで初めて発表され、その後2004年秋のミヅマアートギャラリーでの個展や、様々な場所でのライブを経て、今回の作品は改良が重ねられた完成版です。
the Rotatorsとは、既製のターンテーブルを中心として、どこの国でも大都市ならばかならずある、AC電源のモーターを使った家電や工具類がエレキギターの電磁ピックアップと楽器用アンプを介してパーティミュージックを奏でるサウンド・スカルプチャー作品です。the
Rotatorsの2本の柱は、回転運動と近代化された都市の均一化された文化です。
● the Rotatorsシステム
すべてアナログのデバイスで構成され、デジタルテクノロジーを一切使用しないことが条件です。その結果、全体を俯瞰してみれば何がそこでおこっているかがビジュアルで一目見ればわかるようになっています。このフィジカルなやり方が、ビジュアル・アートとして、また人が生きていくうえで、今後も重要なものであると考えています。
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● そしてその表現はポップ
なぜならどこにでもあるもので出来たどこにでもあるような何も言っていない音楽、でも感動してしまうのがポップミュージックで、日本には優位の文化としての『現代美術』は無く、アートもポップもストリートも等価であるから、the
Rotatorsの表現はその領域にも挑戦しなくてはならないのです。言い換えると、反復するビートを作って音を出す以上、ギャルの腰を動かすもので無くては意味が無く、アートだから許してもらえる場所は無い、と言うことです。それは、いわゆる『美術』としての感動は無い、と言い切ってもいいかもしれません。しかし、欧米にある『ART』という概念は『ART
HISTORY』の『ART』なわけで、この国における『美術』と『ART』は重なりあうことなく存続してきてしまったといえるでしょう。ローテーターズを3日間プレイしつづけて、ジューサーミキサーをでかい音でならし続けて、答をみつけたい。
いずれにせよ展覧会のオープン時間内は今回に限り、ずーっと宇治野が操作し、プレイし続けます。じゃあライブですか?ということになるように思うかもしれませんが、そうではなくてあくまでそういうスタイルの展覧会と考えます。自動演奏のサウンド・スカルプチャーに操作する作者が加わってもサウンド・スカルプチャーの展示であるという事実は変わらないと考えるからです。