国際ダンス映画祭・神戸
ワークショップレポート

 

身体が語りだす。
ビデオダンス・ワークショップ

日時:2018年6月30日(土) 13:00-17:00
会場:Art Theater dB KOBE
講師:飯名尚人
主催:東京造形大学 映画・映像専攻
共催:Dance and Media Japan、NPO法人DANCE BOX
 
テキスト:山田葉亜奈
 


ワークショップの様子 写真:岩本順平
 

風景と身体 20分間、お互いの身体と風景を撮影し合う:参加者の映像
 

風景と身体 20分間、お互いの身体と風景を撮影し合う:参加者の映像
 

風景と身体 20分間、お互いの身体と風景を撮影し合う:参加者の映像

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

映画的視点で「身体」を切り取る

 
 
6月30日(土)、Art Theater dB KOBEにて映像作家 飯名尚人さんによるビデオダンス・ワークショップが開催されました。
導入では、飯名さんがインドネシアで撮影された町の映像から様々な情報や物語を読み解くディスカッションがおこなわれました。前提共有が特にされていない映像を見て、なぜ日本ではないとわかるのか。では、ほかに何か分かる情報はあるか、など、無意識で読み取っていた映像に組み込まれている莫大な情報を、各々が改めて意識することで、映像に含まれる物語性や撮影者と被写体の関係など、映像作品を作るうえで意識すべきことを考える機会が設けられました。
 
 
その後、二人一組で互いを20分間撮り合う実践がおこなわれました。決められたルールは、20分間「身体」を撮るということだけ。意識することは、単なる記録映像ではなく、映画的視点で「身体」を切り取るということ。
一切打ち合わせをせず、どこでどのように撮るかも決められないまま実際に撮影をおこないました。撮影者は被写体の動きを捉えるのに必死で、被写体は撮影されている意識から逃れるのに必死な20分間でした。
撮影された映像はペアで確認し合い、身体が風景と同化していない瞬間、「身体」を撮っている瞬間を映像から探り合いました。
 
 
最後には飯名さんが考えるカメラの役割や動き、映像においてアクチュアリティ(現実にそこにあるもの)を捉えることの重要さなどを映像をみながら教えていただきました。ビデオダンスを撮る際、振り付けられたダンスをただ撮るのではなく、カメラの動きもまた、振り付けなくてはならない。「身体」が語るリアリティではないアクチュアリティをキャッチできるかどうかは撮る人の身体感覚とも大きく関わっている。カメラがどのように動くか、カメラ自身にも物語を与えることが作品をつくる上で重要だと学びました。
今回、映像の分析や実際の撮影を通して、映像を見る際・撮る際の新たな視点が加わったように思います。

 
 
 
イベント概要

東京造形大学 映画・映像専攻 + Dance and Media Japan

国際ダンス映画祭・神戸

参加費・入場料:無料!
会場:ArtTheater dB KOBE(神戸市長田区久保町6-1-1アスタくにづか4番館4階)

 
ダンス・身体をモチーフにした映画作品=ダンス映画。第11回目となる国際ダンス映画祭は、東京造形大学映画・映像専攻と協働し開催。 来年2019年3月には、東京・スパイラルホールで、上映会・展示・トーク・映像コンテストを開催します。
ArtTheater dB KOBEでの開催は2回目となります。今回はワークショップも開催し、ダンスと映画をもっと身近にしていきます。
 
2018年6月30日(土)
13:00-16:30 ワークショップ
18:00-19:30 国際ダンス映画祭セレクション上映


WORKSHOP
身体が語りだす。ビデオダンス・ワークショップ

13:00 - 16:30
 
内容:ビデオカメラを使って身体と風景を撮ります。単に記録映像として録画するのではなく、映画的視点による身体を記録します。身体や風景の持つ物語性を、その身体とカメラによってキャッチしていきます。
記録から表現に変化する過程を模索します。
 
講師:飯名尚人(映像作家・プロデューサー、東京造形大学特任教授)
講師からのメッセージ:言葉を用いずダンスで表現できること、というのが確実にあることは、誰しもが知っていることです。知ってはいるけど、作り手として、身体でそのすべてを語り切ることの困難さ。当然、そのことも痛いほど知っています。このワークショップでは、単に情報として身体を記録するのではなく、そこにあるアクチュアリティ(現在性・すでにそこに在ること)を視覚でキャッチしていくことをやっていきたいです。
映像やダンスの経験は問いませんし、ジャンルも問いません。むしろ経験やジャンルから離れて、みなさんの身体や感覚と関わっていけたらと思っています!
 
参加費:無料
 
参加対象:定員20名
 中高生・・・個人でも学校・部活単位でも参加可能です。
 一般・・・映像に関心のあるダンサー、ダンスに関心のある映像作家、
      俳優、写真家、美術家など誰でもOK。経験・ジャンル不問です。
 教員・・・小中高の教員、指導員、大学教員、私立スクールの講師など
 
 
申し込み方法:
メールで以下の情報をご記入の上、お申込みください。
 
送り先メール 
ArtTheater dB KOBEへ申し込み
info@db-dancebox.org
 
 件名「6月30日ワークショップ参加申し込み」
 本文:①名前(学校単位の場合は代表者名) 
    ②参加人数(学校単位の場合) 
    ③所属など(学校名、カンパニー名、映像作家、振付家、大学講師など)
    ④電話番号 
    ⑤メールアドレス 
    ⑥簡単なプロフィール
    (これまでに作った作品の動画サイトや、WEBサイトなどあれば教えてください。)
    ⑦事前に質問などあれば、ご自由にお書きください。
 


 

SCREEN
国際ダンス映画祭セレクション上映

18:00-19:30
 
国際ダンス映画祭でこれまでに上映されたダンス映画作品を上映します。
毎回、この映画祭では、海外から200作品近い映像作品が応募されてきます。その中から、プロデューサー兼キュレーターの飯名尚人が選んだ作品を上映します。
ダンス映画って何???と疑問を持ってくださったみなさん!是非、見に来てください。
 
入場無料:予約メールをお送りください。
 
予約メール (ArtTheater dB KOBE)
info@db-dancebox.org
 
 件名「6月30日上映会予約」
 本文:①名前
    ②人数
    ③電話番号 
    ④メールアドレス 


プロフィール:
東京造形大学 映画・映像専攻・・・設立以降一貫して「映像の自生性」「インディペンデント映画」を掲げ、学生たちの自由に拡張されていく映像表現をカリキュラムとして運営。2018年度より「ビデオダンス演習」「映像身体演習」「クリエイティブカウンセリング」など、身体と映像に関わる授業が新設された。
http://tokyo-zokei-cinema.tumblr.com
 
Dance and Media Japan・・・2003年からメディアと舞台芸術のコラボレーションを目指し、様々なワークショップ、イベントを企画・プロデュースしている。海外アーティストの招聘や他ジャンルを交えた企画を運営。国際ダンス映画祭を主宰。国際ダンス映画祭は今回で第11回目となる。
http://www.dance-media.com/
 
ArtTheater dB KOBE・・・
1996年からコンテンポラリーダンスを専門に上演する劇場の運営、アートプロジェクトのプロデュースを行なっている。近年は地域と協働したプログラム、小学校へのアウトリーチ、国際交流などダンスを通じて多様なプロジェクトを展開している。
http://www.db-dancebox.org/
 
飯名尚人・・・
映像作家・演出家・ドラマトゥルク・プロデューサー。映像デザインとして佐藤信、小池博史、川口隆夫の作品に参加。ドラマトゥルクとして川口隆夫『大野一雄について』『Touch of the other』。『ASYL』『熱風』などジャンル横断的作品を演出。Dance and Media Japanを設立し「国際ダンス映画祭」を主催。東京造形大学(シナリオ、パフォーマンス、ビデオダンス)、京都精華大学(映像と演劇)、座・高円寺劇場創造アカデミー(舞台における映像)で教える。
 
主催 東京造形大学 映画・映像専攻
共催:Dance and Media Japan NPO法人DANCE BOX

Tokyo Zokei University + Dance and Media Japan

International Dance Film Festival in Kobe

Entrance/Participation: Free!
Venue: ArtTheater dB KOBE

 
Films featuring dance & body = Dance Films. The 11th International Dance Film Festival will be held in co-operation with Tokyo Zokei University. Screening, exhibition, discussions and film contest will be held in March 2019, Spiral Hall in TOKYO.
 
30th June 2018
13:00-16:30 Workshop
18:00-19:30  International Dance Film Festival selected film screening.
 
 
 


WORKSHOP

Videodance workshop.
13:00 - 16:30
 
This workshop, we capture body and scenery using camera. Not just to record, but to film human body in a cinematic viewpoint. Aiming to catch the personality of the body and scenery with your body and camera, also to seek the boundary between record and expression.
 
Participation fee: Free
Instructor: Naoto IINA
Please contact ArtTheater dB KOBE for reservation.
info@db-dancebox.org
 
 

SCREEN

Screening: International Dance Film Festival Selection
18:00-19:30
 
We are screening films from the past selections of the International Dance Film Festival. Each piece is selected by the producer Naoto IINA, from out of nearly 200 films every year for the festival. If you are interested in what dance films and video dance is, this is the place to find out about them.
 
Admission: Free
Please contact ArtTheater dB KOBE for reservation.
info@db-dancebox.org
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 

 

上映作品・神戸|Screen Program・Kobe

2018年6月30日 18:00-19:30 | 30 JUNE 2018 18:00-19:30


Adelaars

製作国 スロヴァキア
分数 : 9分29秒
製作年  2013
監督 Andrea Sudorova
振付 Jan Sevcik
撮影・編集 Andrea Sudorova, Lucia Kopackova
作曲 Dead Can Dance, Orkest ID
出演 Sara Danielova, Maja Miklovicova, Adriana Pinkova


American Overture
アメリカ序曲

製作国 アメリカ
分数 6分15秒
制作年 2012年
監督 John T. Williams
振付 Shannon Roberts
作曲 Maruice Ravel
編集 John T. Williams
ダンサー Shannon Roberts, Luke Willis and Ommi Pipith
プロデューサー John T. Williams



Attraction
アトラクション

製作国 ロシア
分数 4分53秒
制作年 2012年
監督・振付・編集 Anna Potapova
作曲 Xploding Plastix
ダンサー Tanya Makerova, Igor Vlasovets
プロデューサー Anna Potapova



Broken Glass
割れたガラス

製作国 フランス
分数 18分
製作年 2014
監督 Jethro Massey
振付 Lauren Brim & Ghislain de Compreignac
撮影 Mickael Dorokhov
作曲 Tchaikhovsky, Rimsky Korsakov
出演 Lauren Brim, Yolane Malay


CHEST
チェスト

製作国 デンマーク/エジプト
分数 9分45秒
製作年 2013
監督・振付 Nønne Mai Svalholm
撮影・編集 Christoffer Brekne
出演 Mohamed Abdu El Aziz & Nermene Habib



City-Dance Project - Jerusalem “Kaet”
カエット

製作国 イスラエル
分数 6分42秒
制作年 2012年
監督 Bettina Fainstein & Lior Har-Lev
振付 Ronen Itshaki
作曲 Imanuel Witstum
編集 Lior Har-Lev
ダンサー Kaet ansamble
プロデューサー Bettina fainstein &Lior Har-Lev with the Jerusalem fund and Eden the company for the development of Jerusalem center


Neang Neak (Serpent Goddess)
蛇の女神

製作国 カンボジア
分数 3分50秒
制作年 2012年
監督 菅野将弘
振付 Sophiline Cheam Shapiro
作曲 Khmer Arts Ensemble
編集 Masahiro Sugano
ダンサー Keo Kuntearom
プロデューサー Anida Yoeu Ali & John Shapiro


Nocturn
夜想曲

製作国 ドイツ
分数 3分58秒
制作年 2012年
監督・振付・作曲・編集・プロデューサー Kai Welf Hoyme
ダンサー Anika Bendel