Pick Up
DAGHDHA DANCE COMPANY


[LINK]
DAGHDHA DANCE COMPANY
DAGHDHA DANCE COMPANY(ダグダ・ダンスカンパニー)


アイルランドを拠点とするDAGHDHA DANCE COMPANY(ダグダ・ダンスカンパニー)との出会いは、たしか2003年である。振付家・ダンサーのダビデ・テルリンゴ氏と東京で会うことになり、彼らのプロジェクトを渋谷のカフェで紹介してもらった。アイルランド中西部のリムリック市にある教会を、彼らがリノベーションし「ダグダ・スペース」として利用することになり、そのためメンバーは全員イギリスからアイルランドに引越しをした、ということだった。何かDance and Media Japanとコラボレートできると良いねぇ、ということになり、その後もメールでの交流が続いていたが、我々は何しろ小さい組織なので、なかなか具体的なアクションが起こせずにコラボレーションが実現できずにいた。
そうした関係で、今年2006年に東京で再びダビデ・テルリンゴ氏と再会することができた。
 
記事/飯名尚人(Dance and Media Japan) / 15 AUG 2006
指輪でコミュニケーション
ダビデ・テルリンゴ氏は、今年からプログラム・ディレクターに就任し、「ダグダ・スペース」の開放やイベント事業などをたくさん企画している。
過去の彼らのイベントでは、『IRIS / Moving the social lamdscape』というものがあった。このイベントのためにオリジナルの指輪が製作され、参加者はこの指輪をつける。こうして、同じ指輪をつけている人と街中で出会うことを目的としたもので、もはやダンスだけにとらわれず、街全体を舞台にコミュニケーションされるイベントを仕掛けている。面白いのは、デジタル機器を使わずに「指輪」というツールを使っていることだ。人の体に直接付けられるアクセサリーを用いることで、単純な発想だが、フィジカルな感触が得られる。直接的な感触として、「繋がっている」という体験が得られることは重要だ。彼氏が彼女にプレゼントする指輪も、結婚指輪も、何か我々にとっては特別な意味をもつ。フィジカルなコミュニケーションを仕掛けることは、デジタル社会において重要なコンセプトだ。

実用性のあるアートのための「場」

「ダグダ・スペース」は教会をリノベートして利用されているが、テルリンゴ氏のコンセプトはこうだ。
レンタルスペース、ライブラリー、カフェ&バーがあり、特に壁で仕切られていない。複数のダンサーがそれぞれ小スペースのレンタルをしたい場合は、移動式のパーテーションで仕切ることで、非常にフレキシブルな利用ができる。ダンスだけでなく、音楽のリハーサルなども可能だ。リハーサルが終われば、カフェで打ち合わせができるし、なんとなく別の人が練習している様子も見たりできる。会費は年間たったの数千円で利用できるそうだ。
こうした場を作る場合に、もっとも重要なのは「人」である。集まってくる人よりもむしろ、そこにいる人だ。場を提供する人に、場を使う人は集まってくるのだと思う。どんなに良い場所でも、そこにいる人がイマイチだと、その場所に人が滞留しない。人が来るだけでなく、そこに滞留し、何度も足を運びたくなる場を作らなければ意味がない。「ダグダ・スペース」は元々教会だから、潜在的にそうした場のコンセプトをもっているし、テルリンゴ氏のアイディアは、柔軟で人をひきつけるものがある。こうした柔軟な管理人が、地域だけなく世界全体の利用者を集めるのだろう。


Mamuska Nights(マムシュカ・ナイツ)開催!
「ダグダ・スペース」は、レンタルだけでなく様々なイベントが行われる。
2006年12月1日〜3日は『Excursions Performance Festival』(共催/リムリック市芸術局)が開催される。
このフェスティバルの中で面白いのは「Mamuska Nights(マムシュカ・ナイツ)」だ。事前の申し込みが必要だが、新人の作品発表・発掘の重要なプラットフォームのひとつとして注目されており、これまでに100以上の芸術家/芸術団体を紹介してきた。カフェ&バーも用意されているため、パフォーマンス以外にも映像作品の上映、音楽ライブ等も行われる。今回は、日本からの参加も呼びかけており、地域社会だけでなく、より開かれた場所として展開している。「Mamuska(マムシュカ)」とは、映画『アダムス・ファミリー』でお化けたちがパーティーをするシーンで登場するダンスのことだそうだ。
是非日本からも参加して、フェスティバルを楽しんできてほしい。

[Excursions Performance Festival] 参加申し込み方法
[フェスティバル開催期間]
2006年12月1日(金)〜3日(日)


[会場]
リムリック市内 ダグダ・スペース(Daghdha Space)他


[対象]
自身の振付・演出作品をダンサー/パフォーマーとして 自ら上演できる個人。(カンパニーでのご参加は不可)


ジャンルをまたがるような革新的なアーティストや作品、また将来も引き続きダグダとの交流に関心のあるアー ティストなら尚可。

現地で通訳を付けられる可能性が低いため、英会話の能力が多少あることが望ましい。


[ダグダ側で支給・提供できる項目]
(1) 渡航費
※具体的には日本−アイルランド間の往復エコノミークラス航空券、およびアイルランド国内の移動費

(2) 宿泊施設
※現地にてフラット(アパート)を11月27日(月)から12月7日(木) まで押さえてあるそうです。

(3) 日当
※出演費は支給できないが、滞在中の日当は支給するそうです。


[お申し込み・お問い合わせ先]
Mr. Davide Terlingo
Head of Programming / Cultural Programme

Daghdha Dance Company Ltd
1 John's Square
Limerick, Ireland
TEL +353-61-467872
FAX +353-61-311144
davide@daghdha.ie
http://www.daghdha.ie/

[お申し込み締切]
2006年8月31日(木)
※ご関心があれば出来るだけお早めにTerlingo氏に 打診・ご相談されることをお薦めします。


告知協力/日本からの参加に関して、財団法人セゾン文化財団事務局の福冨達夫さんにご協力いただきました。どうもありがとうございます!