2019年3月2日-3日
スパイラルホール(スパイラル3F/東京・青山) 
 
上映
国際ダンス映画祭2019 [インターナショナル部門]
国際学生ビデオダンス・クリエイション [学生部門]
特別上映
ダニエル・シュミット+大野一雄 3作品(1995年)
「書かれた顔」配給:ユーロスペース
「KAZUO OHNO」 

「ダニエル・シュミット、レナート・ベルタ撮影による未使用フィルム」
招待作品
鷹野隆大 新作映像作品「RED & GREEN」(2019年)
ラ・リボット「Mariachi 17」(2009年)
ルイーズ・ナルボニ + ヨアン・ブルジョワ「グレート・ゴースト〜偉大なる幽霊たち〜」(2017年)
 
国際学生ビデオダンス・クリエイション [学生部門] → 詳細こちら
 

[主催]東京造形大学 映画・映像専攻領域、Dance and Media Japan
[巡回イベント共催]NPO法人DANCE BOX(神戸)、yummy dance(松山)、R40(岡山)、からだとダンス研究室(仙台)、宮城野区文化センター(仙台)
[協力]大野一雄舞踏研究所、NPO法人ダンスアーカイヴ構想
[提供]ユーロスペース(「書かれた顔」)
[制作]有限会社かんた
[WEB制作]東京造形大学メディアデザイン専攻領域、Dance and Media Japan
[会場協力]株式会社ワコールアートセンター
[Special thanks]Les Films Jack Fébus
 
  

2-3 MARCH 2019
Spiral Hall (Spiral 3F)
 
SCREENING
International Dance Film Festival 2019 [International selection]
International Student Videdance Creation [for Students]
SPECIAL SCREENING
Daniel Schmid’s "The Written Face" ”Kazuo Ohno” "Hitherto unreleased footage shot by Daniel Schmid and Renato Berta"
Ryudai Takano’s new piece (world premiere)
La Ribot "Mariachi 17"
"The Great Ghosts" Director: Louise Narboni, Choreographer: Yoann Bourgeois
 
CALL FOR ENTRIES
International Dance Film Festival 2019 [International selection]
International Student Videdance Creation [for Students]
 

Tokyo Zokei University Film&Moving Image Major
Dance and Media Japan


鷹野隆大「RED & GREEN」   写真:吉澤慎吾
 
 
 
 
 
 
 
  上映スケジュール_Timetable 
 
 
 
 
 
 

上映スケジュール
2019年3月2日(土)

第1部 15:00〜17:30

国際学生ビデオダンス・クリエイション [学生部門]
「ゑふ/YOH」つと(岩城かのこ、石原澄礼)、乙坂麻衣
「ソトガワ」「色見えで山中美於
take9」 両手に花 with 
Wǔ Fēnzhōng(5分間)ICU NY Taiwan Dance Project
おかっぱぶるー」廣瀬瑠衣
「ごちゃるいま」Anna
水玉好心曲玉城里奈
19」中山ひかり
冥々」桑原咲羽、山崎未樹
 
■上映後トーク:安野太郎・飯名尚人
 
 

 第2部 18:30〜21:00

 特別上映 ダニエル・シュミット+大野一雄 3作品
「書かれた顔」配給:ユーロスペース
「KAZUO OHNO」 
「ダニエル・シュミット、レナート・ベルタ撮影による未使用フィルム」

■上映後トーク:溝端俊夫・飯名尚人 

 

 
2019年3月3日(日)

第3部 13:00〜15:30

国際ダンス映画祭 [インターナショナル部門]
「うぬぼれ」監督・振付:Florent Schwartz(フランス・アメリカ)
「1958 デリバリー《慢遞1958》」監督・振付:Elysa WENDI(香港)
「オブ・サイレンス」監督:Sam Asaert 振付:Andrew McNicol(イギリス)
「タイムパルス」監督・振付・撮影・編集: APOTROPIA(イタリア)
「ブックアニマ:ダンス」監督・振付・撮影・編集:SHON KIM(韓国・アメリカ)
「ナルキッソスの死」監督・振付・編集・出演:Peter Sparling(アメリカ)
「スリープ ウェル」監督・振付・撮影・編集・出演:SARA SIMEONI(ドイツ)
「風精.刻」監督・振付:JOOWON SONG(韓国)
「カルテ・ブランシュ」監督・振付:Augenblick(イタリア)
「坊ちゃん合宿」監督:Nathan Smith / Max Pollard 振付:Nathan Smith(日本・オーストラリア)
「トランシルバニア・アクロバランス」監督・撮影:Tanya Plazner(ルーマニア)
「バルナム」監督:Sara  振付:Padmini Chettur (インド) 
 
■上映後トーク:飯名尚人 
 
 

第4部 16:30〜19:30

招待作品 3作品
鷹野隆大 新作映像作品「RED & GREEN」(2019年)
ラ・リボット「Mariachi 17」(2009年)
ルイーズ・ナルボニ + ヨアン・ブルジョワ「グレート・ゴースト〜偉大なる幽霊たち〜」(2017年)
 
■上映後トーク:鷹野隆大・呉宮百合香・飯名尚人
 
 
 
 

 
 
 
 
 
  予 約_Reservation
 
入場無料
 
事前予約の方は優先入場・全席自由
 
 
 
 

 
 
 

ご予約方法:
E-mail予約のみ  info@canta.co.jp
 
以下の情報をご連絡ください。
 
ご希望の鑑賞プログラム(第1部・第2部・第3部・第4部)
・お名前
・人数
・TEL
・E-mail 
 
 
ご予約のお客様優先でのご入場となります。
 

 
 

 
 
 
 
 
  会 場_Venue
 
 

スパイラルホール(スパイラル3F/東京・青山) 
〒107-0062  東京都港区南青山5-6-23   
Spiral Hall (Spiral 3F)
5-6-23 Minamiaoyama Minato-ku Tokyo

 
 
 
 

 
 
 

 
 
 
 
 
 
  上映作品
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 

3月2日(土) 第1部 15:00〜17:30

国際学生ビデオダンス・クリエイション [学生部門]
10作品上映
 
 
 
作品の詳細・公式WEB → http://www.isvd.tokyo

 

 WEBサイト・ロゴ制作:東京造形大学メディアデザイン専攻領域

 

学生監督・振付家によるダンス映像を上映します。公募作品から10作品。
ダンスを映像で記録するという行為は、スマホアプリでも動画配信でも、すでに日常的な行為といえます。その一方で、身体と映像を丁寧に時間をかけて取り扱い、アウトプットすることの重要さ改めて感じます。今回記念すべき第1回の「国際学生ビデオダンス・クリエイション」がスタートしました。
今回、ダンスが写っている映像作品であればなんでもOK、という条件で応募しています。記録映像、映像作品、ドキュメンタリー的作品など様々なフォーマットでの作品が上映されます。
 
上映作品は、コメンテーター4名による作品コメントが監督に送られます。
コメンテーター:川口隆夫 安野太郎 吉開菜央 飯名尚人

 
 
 

「おかっぱぶるー」廣瀬瑠衣

監督、振付家、撮影、編集:廣瀬瑠衣
ダンサー: 茂木 瑛美里 
音楽:Motion Coaster
日本女子体育大学
 

「ゑふ/YOH」つと(岩城かのこ、石原澄礼)、乙坂麻衣

振付、出演:岩城かのこ、乙坂麻衣
映像:石原澄礼
撮影:木川美海、殿村裕介
立教大学

 
 

「色見えで山中美於

監督・撮影・編集:山中美於
出演・振付:野村香綸
東京造形大学

ソトガワ山中美於

監督・出演・撮影・編集:山中美於
東京造形大学

 

Wǔ Fēnzhōng(5分間)ICU NY Taiwan Dance Project

監督:Mana Yamagata
振付:Kensuke Shinohara, Wen-jen Huang
撮影:John Atanacio, Evan Barker
編集:John Atanacio
照明:Yuta Minakawa (ICU照明委員会)
衣装:ICU Modern Dance Society
国際基督教大学

水玉好心曲玉城里奈

撮影:玉城里奈・新嵩用兵 
編集:玉城里奈 
ダンサー:仲宗根 葵 
役者:長嶺志都 
作曲:横山起郎
沖繩キリスト教学院大学

 
 

「ごちゃるいま」Anna

監督・撮影・編集:Anna
東京造形大学

take9両手に花 with 

出演:東谷友紀 大門倫子 東谷豪紀 
監督・
撮影:東谷豪紀
東京造形大学

 

19中山ひかり

出演:一萌 桑原咲羽 撮影協力:山崎未樹
東京造形大学

冥々桑原咲羽、山崎未樹

監督・編集・照明・衣装・美術:桑原咲羽、山崎未樹
付:桑原咲羽
撮影:山崎未樹、中山ひかり、桑原咲羽
音声:桑原咲羽、山崎未樹、一萌
出演:山本和、木津谷あみ、桑原咲羽、荘司沙也、宮田雅楽、茶屋文香
東京造形大学

 

 
 
 
 
 
 
 

3月2日(土) 第2部 18:30〜21:00

特別上映
ダニエル・シュミット 3作品

 

■上映後トーク:溝端俊夫・飯名尚人(国際ダンス映画祭主宰)

 

 

書かれた顔

 
 
出演 坂東玉三郎 武原はん 杉村春子 大野一雄 蔦清小松朝じ 
坂東弥十郞 宍戸開 永澤俊矢 
監督 ダニエル・シュミット 
撮影 レナート・ベルタ 
編集 ダニエル・ローデラー 
製作 堀越謙三 堀三郎
製作協力 アテネ・フランセ文化センター 伊藤事務所
1995年 日本・スイス合作 カラー 1時間29分 
製作 ユーロスペース・T&C Film
配給 ユーロスペース
 
耽美派の映画監督ダニエル・シュミットによる坂東玉三郎のドキュメンタリー作品。玉三郎の踊る珠玉の舞台「鷺娘」を、レナート・ベルタのカメラが独得の角度から捉えている。歌舞伎の美学をこれほどの力強く捉えた映像は他にない。玉三郎自身へのインタビューのほか、新劇女優杉村春子(1906-1997)のインタビュー、地唄舞の武原はん(1903-1998)が稽古場で踊る貴重な映像、さらに舞踏家大野一雄(1906-2010)の映像も幻影のように挿入される。
 

 
 
 
 
 
 
 

 

Kazuo Ohno

出演 大野一雄 大野ちえ
監督 ダニエル・シュミット 
撮影 レナート・ベルタ 
編集 ダニエル・ローデラー 
製作 堀越謙三 愛知芸術文化センター
1995年 日本・スイス合作 カラー 15分
  
1980年、大野一雄はフランスのナンシー国際演劇祭に招かれ、初めての海外公演を行った。若き日のダニエル・シュミットは、その時ナンシーで大野の代表作「ラ・アルヘンチーナ頌」を見た。以来、大野一雄を敬愛し続けたシュミットがついに撮った「Kazuo Ohno」は、日常の風景に現れ、消えていく舞踏家の、水のように透明な残像である。言葉にならないダンスの感情に出会おうと思えば、まずこの映画を見なくてはならない。
 
 

ダニエル・シュミット、レナート・ベルタ撮影による未使用フィルム

出演 大野一雄 大野慶人 大野祐輝
1995年 カラー 13分
 
大野一雄のスタジオを訪れたダニエル・シュミットとレナート・ベルタが撮影し、映画本編に使用されなかったスーパー16ミリフィルムが短く編集され、ある日大野一雄の元に送られてきた。シュミットから大野ファミリーへの個人的なプレゼントと思われた。日々の稽古が行われる稽古場で、ひ孫の祐輝(当時4歳)と子供のように戯れる大野一雄。何気ない情景から大野一雄の世界が見えてくるレナート・ベルタのカメラワークがすばらしい。
 

 

 
 
 

3月3日(日) 第3部 13:00〜15:30

  国際ダンス映画祭 [インターナショナル部門]
12作品

 
ダンスと映画は、どのように融合していくのか。 総エントリー作品数125本のダンス映画作品の中から選出された作品を12作品上映します。 国際ダンス映画祭では、毎回、世界各国からの作品公募を行っています。同時代の作家たちが作る、その国のアート、文化などを交えた特徴的なダンス映画作品が数多く集まります。

セレクター 飯名尚人(国際ダンス映画祭プロデューサー)
 
 

「うぬぼれ Vanity」

11:12 フランス・アメリカ  2017年製作
監督・振付: Florent Schwartz
撮影: Kat Cameron
編集:Seongyeon Won
出演:Wilma Puentes Linares / Lisa Mariani / Flavio Ferruzzi
制作: Experimental Film Virginia 

「オブ サイレンス Of Silence」

06:46 イギリス 2017年製作
監督: Sam Asaert
振付: Andrew McNicol
撮影・編集:Sam Asaert
出演:Georgie Rose, Gabor Kapin, Giulia Frosi, Isaac Lee Baker, Nancy Osbaldeston, Lauri McSherry Gray
作曲:Nicolas Robert Thayer,
衣装:Emma Bailey
プロデューサー:Sam Asaert & Andrew McNicol

 
 

「1958 デリバリー 《慢遞1958》」

13:00 香港 2017年製作
監督・振付:Elysa WENDI
制作:City Contemporary Dance Company

 

トランシルバニア・アクロバランス Transylvanian acrobalance

08:01 ルーマニア 2016年製作
監督・撮影:Tanya Plazner
編集:Ilya Kutuzov
出演:Gypsy Festival participators

 
 

「タイムパルス Timepulse」

08:47 イタリア 2107年製作
監督・振付・撮影・編集: APOTROPIA
出演:Antonella Mignone
作曲・サウンド:Cristiano Panepuccia
プロデューサー:Antonella Mignone, Cristiano Panepuccia

 

「ブックアニマ:ダンス BOOKANIMA: Dance」

07:31 韓国・アメリカ 2018年製作
監督・振付・撮影・編集: SHON KIM
制作: SHONKIM Studio

 
 

「バルナム Varnam

21:57 インド 2016年製作
監督:Sara
振付:Padmini Chettur
撮影:Sripad
編集:Rahman, Evanescence Studios
出演:Aditi Bheda, Madhushree Basu, Ramya Shanmugam, Sravanthi Vakkalanka, Aarabi Veeraraghavan
作曲: Maarten Visser
プロデューサー:Steirischer Herbst, Zasha Colah

 

「スリープ ウェル SLEEP WELL

03:28 ドイツ 2018年製作
監督・振付・撮影・編集・出演:SARA SIMEONI
音楽: MAURO SAMBO , MATILDE SAMBO

 
 

「風精.刻 ブルー・ヒルの町 Pung Jeong. Gak  A Town with a Blue Hill」

15:28 韓国 2018年製作
監督・振付:JOOWON SONG
撮影・編集:57STUDIO
出演:KONG YOUNG SUN, KIM MIN JAE, KIM SANG YUNG, KIM SAI AH, KIM WOO JIN, KIM YUN HA, KIM YOUNG EUN, KIM JI YOUNG, KIM HO YEUN, MOON JIN HEE, PARK HAE MI, SON NA YE, SON JI MIN, SON HYUN, LEE BYUNG YAP, LIM JUNG HA, LIM JIN HO, YUN SE YOUNG, YANG SOO HYUN, YANG SOO YEON, YANG YOUNG SEON, JANG SUNG HEE, JANG HONG SEOK, JUN YOUNG HOON, JEON CHAE LIN, HUH YONG WOON, HAN BIT
ゲスト出演:JEAN-FRANÇOIS CLAUDE
音楽監督:KIM MIN HONG ,  ‘Swedish Girls Korean Boys’ Piano KAE SOO JUNG   Guitar BOJAN VULETIC
制作:SOOHYE JANG
プロデューサー:CHOI BONG MIN, JOOWON SONG

 

「ナルキッソスの死  The Death of St. Narcissus 

08:44 アメリカ 2012年製作
監督・振付・編集・出演: Peter Sparling
撮影:Jacques Mersereau
作曲:Benjamin Britten

 
 

「カルテ・ブランシュ Carte blanche」

06:06  イタリア 2017年製作
監督・振付: Augenblick
撮影・編集: Marco Longo
出演: Alessandra Elettra Badoino, Marina Giardina, Fabio Poggi
サウンド:Marco Longo
衣装:Alessandro Osemont 

「坊ちゃん合宿 Botchan Retreat

23:10 日本・オーストラリア 2018年製作
監督:Nathan Smith / Max Pollard
振付:Nathan Smith
撮影:Matt Wilson
編集:Drew Moden
出演:Midori Goda, Kenta Kuroda, Miyuki Tokui
作曲: Keegan Joyce
サウンド: Jared Dwyer
制作:Yumi Umiumare
プロデューサー:Ritsuko Mizuno

 
 
 

3月3日(日) 第4部 16:30〜19:30

 
招待作品

上映後トーク:鷹野隆大(写真家)・呉宮百合香(ダンス研究)・飯名尚人(国際ダンス映画祭主宰)

 

 
RED & GREEN
鷹野隆大

2019
 
写真家・鷹野隆大による新作映像作品の上映。影をモチーフとしたインスタレーション作品「欲望の部屋」(2018、神楽坂・AYUMI GALLERY CAVE)から、初の映像作品を制作。
 
 
自然界において、光の遮られた部分は影として現れる。どこにでもある当たり前の現象である。そんな影が気になり出したのは2010年ごろから。決定的だったのは2011年、足元が大きく揺れ、放射能が大量散布され、何をどうすればいいのかわからない混乱した日々のなかで、ふと足元にまとわりついて来る“黒いもの”が目に入ったときだった。僕は小動物かなにかを踏んだのかと思い、驚いて飛び退いたが、よく見ると自分の影だった。小動物と勘違いしたのは、自分の動きと無関係な動きをしているように見えたからだった。以来、自分の影は自分の一部ではなく、自分が飼っている動物か何かのように感じている。影をカメラに収めるようになったのは、こうした不思議さからだった。しかし撮影を繰り返すうち、影の映像ではなく、影そのものを捉えることはできないのか、そんなことを考えるようになった。今回、特殊な仕掛けを施した会場に残るのは、影そのものである。数分間ではあるが、それは持ち主を離れ、客観物としてある。影が影として自立したときに見えるものは何か。その答えに通じるものが映っていれば幸いである。
鷹野 隆大
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

鷹野 隆大(タカノ リュウダイ)
写真家。1963年福井県生まれ。1994年からセクシュアリティをテーマに作家活動を開始。女か男か、ホモかヘテロかといった二項対立の狭間にある曖昧なものを可視化することを試みた作品集『IN MY ROOM』(2005)で木村伊兵衛写真賞を受賞。その後は同テーマをポルノグラフィカルな形式を通して探求したシリーズ『男の乗り方』、無防備なセクシュアリティの表出が警察沙汰を招いた『おれと』など、性欲という“下半身の問題”をアイデンティティや社会規範との関わりのなかで捉える作品を発表している。他に、“市場価値のない”身体イメージを集めたシリーズ『ヨコたわるラフ』、極めて身近でありながら顧みられることのない日本特有の都市空間を写した『カスババ』など、視覚表象における価値のヒエラルキーを問う作品シリーズがある。2011年の東日本大震災以降は影をテーマに種々の作品に取り組んでいる。 

機材提供:ソニーマーケティング株式会社
協力:AYUMI GALLERY CAVE
宣伝写真:吉澤慎吾

 

Mariachi 17
マリアッチ 17

2009
 
 
コンセプト・演出:ラ・リボット
コール・オペラトゥール:マリー・カロリーヌ・オミナル、デルフィーヌ・ロセ、ラ・リボット
撮影:ダニエル・ドゥモン
セットデザイン・衣装:ラ・リボット
音楽:Atom™.
音楽監督・サウンドミキシング:Clive Jenkins.
編集:Sylvie Rodriguez.
ポストプロダクション:Massimiliano Simbula.
照明・ビデオ・音響技術:Stéphanie Rochat, David Scrufari.
セット:Victor Roy.
写真(スペイン):Miguel de Guzmán.
舞台・黒子:Pablo Jobin, Laure Fauser.
制作:Anouk Fürst, La Ribot – Genève
 
 
 
 
 
 
photo G.Jobin
 
 

 
身体と映像が交錯する、豊穣なるエンターテインメントダンス映画。
「マリアッチ 17」は、手持ちカメラで撮影する一回性の映像が、パフォーマーの身体動作により紡ぎ出されていく。3人のパフォーマーの身体と精巧なセットで構築されたダンス作品から映画的世界へ、観客の視線は巧みに誘導され、映像の中で映像と出会い、空間の中で空間と出会う。身体と映像が永久運動を展開するかのような、めくるめく感覚の中を、「マリアッチ 17」はただひたすらに走り抜けていく。
 
 
 
 
 
 
 
 
ラ・リボット(La Ribot)
マドリードに生まれる。現在はジュネーブを拠点に活動。80年代、自由化の風が吹くスペインから始まった彼女の創作は、コンテンポラリー・ダンスの視点に大きな影響を与えてきた。演劇、ヴィジュアル・アート、パフォーマンス、映像から自由にその言語を拝借する作品は、ジャンルが交錯する点に光をあてる。ラ・リボットにとって、ダンスは身体言語に根差した多様な実験への出発点だ。ダンスを通して異なる枠組みが出会い、身体が置かれた様々な場を変容させる。ライブ・パフォーマンスを、テート・モダン、パリ市立劇場等で上演。映像作品は、レイナ・ソフィア美術館、ポンピドゥー・センター等にコレクションされている。
 
 

 

グレート・ゴースト〜偉大なる幽霊たち〜 

2017 
 
 
[監督]ルイーズ・ナルボニ [振付・演出・舞台美術]ヨアン・ブルジョワ
[衣装]シゴレーヌ・ピティ [音楽]フランツ・シューベルト
CCN2 – Grenoble National Choreography Center
Centre des monuments nationaux
【パフォーマー】
[プロローグ]津川友利江 [慣性]エリーズ・ルグロ、ジャン・イヴ・フォン
[軌道]ソニア・デルボスト・ヘンリー 
[均衡]エステル・クレマン・ビアレム、ラファエル・ドゥフール
[熱量]ヨアン・ブルジョワ、ダミアン・ドルアン、エミリアン・ジャヌトー、ルカ・ストゥルーナ
 
 

ヨアン・ブルジョワ(Yoann Bourgeois)
シャロン=アン=シャンパーニュ国立サーカス学校とアンジェ国立現代ダンスセンター
で学ぶ。アレクサンドル・デル・ペルジア等との協働を経て、マギー・マランのカンパニーに参加。2010年、初の自作となるCavaleを発表。2016年より、ラシッド・ウランダンとグルノーブル国立振付センターの共同ディレクターを務める。2017年、芸術文化勲章シュヴァリエ受勲。2018年、映像作家ルイーズ・ナルボニとの共作The Great Ghostsがサンフランシスコ・ダンス映画祭にてベスト・ライヴ・パフォーマンス・キャプチャー賞を受賞。

 

ルイーズ・ナルボニ(Louise Narboni)
オペラやバレエを複数カメラで記録する映像を作っている。近年では、アンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケル、ヨアン・ブルジョア、テロ・サリネン、エマニュエル・ガット、シャロン・エアル等と仕事をしている。近作に「Ce que je m’ai souvenu / 私が覚えていること」(2017) 、「Happy We /幸せな私達」(2016)。

 
 
 
 
パリのパンテオンで開かれた動く展覧会「歴史の力学:宙づりの支点へ至る試み」で行われたダンスパフォーマンスの映画化。
 
巨大なパンテオンの円空の頂点から吊られたフーコーの振り子の動きに反応して、身体の動きと微妙な均衡をあやつるヨアン・ブルジョワの振付作品。パンテオン内部にはトランポリン、回転台、不安定な天秤、「気まぐれシーソー」の4つの装置が設置されている。これらの劇的なオブジェに身を委ねるアクロバット・ダンサーたち、止むことのないフーコーの振り子、そして歩行回遊する観客がひとつの新しい演劇体験を作り上げていく。