2014 第9回DMJ国際ダンス映画祭

「他者の手」を感じるための、
プレゼンテーションパフォーマンス
川口隆夫

2014年10月11日(土)
15:00〜16:30 
1000円



快楽を求めて公衆トイレにたむろし、見知らぬ相手との性に耽る男たち…

アメリカの社会学者ロード・ハンフリースは1960〜70年代にかけて、公衆トイレで行われていた男性間の性行為について、初めての本格的かつ画期的な調査研究を行った。彼は見張り役となって潜入し、詳細に観察する。学会で問題視され物議を醸したそのユニークな手法は、トイレの中の男たちのタイプ、服装、動線、視線、合図、行為までが図解入りで詳述されて、非常におもしろい。

おもしろいのは手法だけではない。この研究から何がわかったのか。当時、ノンケ(その気のない人、ストレートとも言う)に手を出し、少年を誘うホモ変質者=危険、害悪と思われていたトイレ発展者たちが、実はそうではなく、暗黙のルールやマナーのもと、自らそれを求める者たちだけがお互いに快楽を与え合っている、しかもその半数は同性愛者でもなかった。

そこにはどんなルールやマナーがあり、そして社会の力学が働いていたのか。

それを舞台上で再現してみようというのが、『Touch of the Other — 他者の手』のパフォーマンスだ。

2015年4月ロサンゼルスでの初演に向けて、今回はその<「他者の手」をよりよく感じるための、プレゼンテーションパフォーマンス>。



川口隆夫

パフォーマー/1996年から2008年まで「ダムタイプ」に参加。同時に2000年以降はソロを中心に、演劇・ダンス・映像・美術をまたぎ、舞台パフォーマンスの幅広い可能性を探求、他ジャンルのアーティストとのコラボレーションも多い。近作に『病める舞姫をテクストに―二つのソロダンス』(共演: 田辺知美、大野一雄フェスティバル 2012)、『大野一雄について』(大野一雄フェスティバル、2013)。また2008年より「自分について語る」をテーマにしたソロパフォーマンスシリーズ『a perfect life』を展開。その Vol.6「沖縄から東京へ」で第5回恵比寿映像祭(東京都写真美術館、2013)に参加した。舞台以外にも、1995~99年まで東京国際 レズビアン&ゲイ映画祭のディレクターを務め、2003年にはイギリスの映像作家デレク・ジャーマンがエイズで亡くなる直前に書いた 色に関するエッセイ『クロマ』を共同翻訳した(出版: アップリンク)。



演出 構成 出演 : 川口隆夫
メディアディレクション : 飯名尚人

出演:宮尾昌宏 大口遼 タマリモモコ

挿入映像
 監督:山田酩酊 撮影:深田隆之 録音:渡部雅人 制作:植地美鳩
 映像出演:川口隆夫 黒崎純也 石川翔 大石憲